太宰治「ろまん燈籠」

ろまん燈籠 (角川文庫クラシックス)

ろまん燈籠 (角川文庫クラシックス)

タイトルから分かる通り最近、太宰治を読み進めている。
太宰治は中学の時に初めて知ったのだがその時は好きになれなかった。走れメロスが健康的に思えたのだ。それに僕は物足りなさを感じていた。(小学校の頃に芥川龍之介蜘蛛の糸杜子春を知ったのが理由か?)
なのでそれから7年全く見向きもしなかった。
先日、図書館で借りた本を読み終え、読むものが無かったので妹の部屋から出てきた「ろまん燈籠」を読み始めたら

ヤバイ

恐ろしくページが進む。文の構成が芥川龍之介の作品に似ているからだ。
最後の解説(岩井俊二が書いてる)を読んで納得した。太宰治芥川龍之介のファンだったからだ。
他に読み進められた理由としては死のうと思ってる人間が主人公の作品が多いからだろうか。
解説の話に戻るが、そこで引用された「葉」の冒頭文

『死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。(中略)これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った』

これを読んでハッとした。「僕のことだ」と思ったからだ。太宰治にハマる唯一のパターン(と岩井俊二は書いている)に見事にハマったのである。

そして、そんな風に今日も生きている。