幕末の水戸藩に関する本を2冊

童門冬二尊王攘夷の旗 徳川斉昭藤田東湖

水戸藩の9代藩主・徳川斉昭の藩政改革を中心に水戸学や幕府のことまで書いた本。後半は現代への当てはめが多く、やや読みづらい感もあるが、前半の水戸藩の藩政改革の流れは読みやすくまとめられていた。今回挙げた2冊を読む場合、こちらから読むことをお勧めします。

尊王攘夷の旗―徳川斉昭と藤田東湖

尊王攘夷の旗―徳川斉昭と藤田東湖

山川菊栄「覚書 幕末の水戸藩

こちらは水戸藩の歴史を書き連ねた本で、文庫だけど立派に歴史書として通用する内容。水戸藩初期の事件・生瀬の乱から始まるあたりからして貴重。*1
水戸藩内部の藩政改革から天狗党と諸生党の派閥抗争、藩士の生活まで水戸藩内の出来事を詳細に記録している。しかし、この本が作者の祖父・青山延寿*2の日記、書簡を主な資料として書いているからか江戸での動きや桜田門外の変に関する記述は少ないが、こちらの方が読みごたえのある内容だった。

覚書 幕末の水戸藩 (岩波文庫)

覚書 幕末の水戸藩 (岩波文庫)

*1:実際にGoogleで生瀬の乱を検索しても5件も引っかからない

*2:弘道館の教授