今日は2冊分書くよ

スピリッツ48号

ビッグコミックスピリッツ48号

古厩忠夫「裏日本」

太平洋側と日本海側の格差はなぜできたのか?そんなことが書いてある本。
僕は20年近く千葉に住んでいるので「なぜそこまで地方の公共事業をやらなきゃいけないのか」と東京側の視点で見てしまうのだが、日本海側が裏日本と呼ばれるようになった背景を考えると太平洋側に追いつくために遅れていた整備をやらなきゃいけないから性急だと思われるくらいに公共投資をしているんだと思った。
戦前の日本海の湖水化構想というのが載ってて「何だ!?」と思ったが、要するに瀬戸内海のように日本の内水として位置付けるという意味で淡水化とかそういう意味ではなかった。それにしても戦前の日本海側の考えを見ると、朝鮮、満州を「裏」として本土全体が「表」になろうとする考え方ではないか?そんな風に思った。
結局、日本海側が裏として扱われていった背景は明治時代の中央集権化で

  • それまでの藩単位での表裏から国全体の中で表裏ができた。
  • 二大都市である東京、大阪、重要港のある横浜、神戸を抱える太平洋側の整備を国策として先行した。
  • その結果、太平洋側を「表」、日本海側を「裏」として見るようになった。

うーん、難しい問題ですね。

裏日本―近代日本を問いなおす (岩波新書)

裏日本―近代日本を問いなおす (岩波新書)

*1:「夜王」をちゃんと読んでいないので良く分からないが