思ったよりも読書スピードが速くなっている

先週借りた本のうち既に3冊読み終えた。こんなに早く読み終わるとは思わなかった。

河西英通「東北 - つくられた異境」

東北―つくられた異境 (中公新書)

東北―つくられた異境 (中公新書)

東北が田舎イメージの代表格となったのはなぜか?明治、大正の北東北の動きを追った本。
江戸時代には東北は西国*1と同じく未開イメージはなかった。むしろ、豊かな地域だった程*2なので変革の必要性がなかったから、戊辰戦争で旧幕府側についたのではないか。そして新政府側の薩摩、長州にとって敵対した地域であり、重要視されなかった地域だから東北への偏見、近代化の遅れによって未開イメージが植え付けられたのではないか。
そして、その決定打が1900年頃の凶作だったと考えられる。
東北の近代化のために新聞、雑誌が北海道や新潟と。交通ではロシアや朝鮮半島との繋がりを強化しようとした動きがあったのは興味深い。
個人的には昭和の東北はどのように捉えられていたのかまで載せてほしかった。
岩波文庫から出ている「裏日本」*3も合わせて読むといいかも。

井伏鱒二「黒い雨」

黒い雨 (新潮文庫)

黒い雨 (新潮文庫)

長編、しかも戦争小説ということで読み終えるのに時間がかかると思っていたが、2〜3日で読了。
日記を通して広島の様子や被爆者の生活を書いていった作品。変な誇張がないからこそリアルだし、その分重い内容だが戦後の生活と日記の挿入とか風景の描写がうまく入っていて読みづらいとは全く思わなかった。
井伏鱒二の他の作品も読んでいったらハマリそう。

吉田鋼市「アール・デコの建築」

アール・デコの建築―合理性と官能性の造形 (中公新書)

アール・デコの建築―合理性と官能性の造形 (中公新書)

1920〜30年代に主流となったアール・デコについて。建築様式から現存する主な建築物、アール・デコ建築の保存に至るまで。
アール・デコと言えばコンクリート建築の普及と切り離せないもので、それがデザインの多様性から日本での普及、保存の難しさまで直結してるのではないかと思う。
こういう本なので写真は多めだが、やっぱり大きいカラー写真で見たいと思ってしまう。建築雑誌が読みたくなる。

アーバンライフ・メトロ6月号

東京で買える水の特集。お台場にミネラルウォーターカフェがあるなんて知らなかった。
日本でミネラルウォーターが普及した背景とか東京の水道水の裏話が面白かった。
東京散歩日和は代々木上原。いつも乗ってる千代田線の終点なので馴染みのある地名だが、降りた事がない。*4モスクの写真を撮ったり、Coffee Prahaでチキンカレーを食べたりしたい。

*1:現在の中国、四国、九州

*2:イサベラ・バードの「日本奥地紀行」で言及されていた

*3:id:tokagex:20051102#1130944157

*4:代々木八幡と東北沢は降りた事があるのに