鳴響pH2.0(1日目)

宮城県鳴子温泉で開催された涼音堂茶舗主催の夏フェス、鳴響pH2.0に参加してきた顛末です。

始まりは、なぜか山形新幹線

上野から新幹線で鳴子温泉に行くには東北新幹線で古川まで行って陸羽東線に乗るのが最短ルートなのだが、乗ったのはどういう訳か山形新幹線
途中、車窓から見える工場や鉄塔に萌えているうちに車販のワゴンが通りかかったので、見てみると駅弁が1つしかなかったので、途中の駅で駅弁が入るのか聞いてみると米沢で入るという回答。そこで、朝食は米沢まで待っことにしたが、外はまだ栃木県だったのでじゃがりこで空腹を凌ぐ。
福島から山形新幹線単独で走るのだが、それが不思議な感じ。ついさっきまで東北新幹線の高架を走っていたのに、踏切を通過して、普通列車と交換するんだから。
そして福島と山形の県境、板谷峠の手前で見えた田んぼの眩い緑色が東北に来たことを実感させる。一瞬の出来事だったので、写真撮るの忘れた。


ちょうどその頃に米沢で入る駅弁の予約が始まっていたので牛肉どまん中と峠の力餅を迷うことなく注文。そして米沢を過ぎて待ちに待った牛肉どまん中と峠の力餅が届く。しかも予約制だからか、駅弁ができたて!これは今までに食べた駅弁の中でもトップクラスの旨さ。

そして山形駅を過ぎてガラガラになった新幹線に乗り続けて終点の新庄に到着。
天童あたりで雨が降ってたけど鳴子は中央分水嶺の向こうだから大丈夫なはず。

絵に描いたような初夏!陸羽東線分水嶺超え


山形新幹線を新庄で降りると陸羽東線ディーゼルカーが目の前に到着していた。しかし、売店で水を買ってから乗車。新庄駅は階段が全くない超バリアフリーな駅なので移動が楽すぎる!


陸羽東線は新庄を過ぎて2つ目の長沢に着くと陸羽東線のイメージ「田んぼと里山、ときどき温泉。」といった景色の中を走っていく。


そして赤倉温泉を過ぎると完全に山の中。


途中の堺田駅には中央分水嶺の看板が。ここを過ぎるといよいよ宮城県

そして鳴子峡を一瞬で通り過ぎると今回の目的地、鳴子温泉に到着。

むすび丸は今年も健在。

極上の会津キャンペーンのポスターに出ている女の子がかわいい。誰だろう?

鳴子温泉駅に併設されている観光案内所で2日目に回る候補地の情報収集をしてから小牛田行きに乗り継ぎ、ひと駅先の鳴子御殿湯へ。

鳴響オープニングトークショー


鳴子御殿湯駅に着くとちょうどオープニングでいろのみの演奏が始まっていたところ。既に駅のイベントスペースの中は満員だったので入口で立ち見。
鳴響に備えてCDを出している参加アーティストはある程度聴いていたのだが、いろのみは全くの未聴。キラキラした音を聴いているうちにノーチェックだったことを激しく後悔した!
その後、Coupieの演奏。東北の空気感を表現した音と鳴響の公式に書いてあったけど、本当にそんな感じ。聴いていてさっき乗ってきた陸羽東線の車窓が思い浮かんだ。
Coupieの後は1時間の入浴タイムで一度解散。

湯治のための温泉街・東鳴子温泉ぶらり旅

オープニングの次の森繁哉先生のパフォーマンスまで1時間の入浴タイム。この間に鳴子温泉駅に向かって森先生を迎えることも考えたが、せっかく東鳴子温泉に降り立ったのだから、東鳴子でどこかの温泉に日帰り入浴することに決定。



その前に昼食を食べていなかったので、パン屋でパンを買って温泉街の外れの東鳴子温泉神社で食べることに。


その後に日帰り入浴できる施設を探して歩いていたら目についた旅館大沼で日帰り入浴。ここは2つの源泉に8つの湯船をもつ宿でどこの湯船に入るか考えてしまうが、汗を流しておきたかったのでシャワー、シャンプー、ボディソープ完備の大浴場「千人風呂」に入る。
入浴が済んで時計を見たらもうすぐパフォーマンスという時間。急いで旅館大沼を後にして鳴子御殿湯駅に戻る。

森繁哉氏パフォーマンス「鳴子温泉に降り立つ旅人」

鳴子御殿湯駅に着くとCoupieが演奏を始めていて、しばらくすると駅舎の入り口から旅人に扮した森先生が現れ、イベントスペースとホームでパフォーマンス。鳴子温泉行きの切符を見せ、ちょうど列車がやってきた。

しかし、列車は小牛田行き。なので、もうしばらくホームでのパフォーマンスが続くがその間、みんな写真撮りすぎ。そして次の鳴子温泉行きに一緒に乗りすぎ。
あまりにも一緒に乗る人が多かったので鳴子御殿湯駅で見送ること。
見送ったのはいいが、次に列車がやって来るのは1時間後。一緒に見送った鳴響スタッフはみんな車に乗っていき、駅に残ったのは僕一人に……

そして鳴子温泉へ(徒歩)

列車は1時間後。それより先にバスは出ていないか鳴子御殿湯駅の駅員に聞いたところ、土日運休という答え。
1時間待つにしたって、温泉宿と食料品店しかない完全な湯治客向けの温泉街・東鳴子温泉で時間を潰せる場所もないので、鳴子温泉まで歩くことに。徒歩で30分くらいだし。

そして川沿いの国道を延々と歩く。途中で温泉の源泉とか堰堤の写真を撮ったり、鳴子ダムへの入口を探したりしながら。


温泉の排水と思われる滝があって豊富な湯量に感心しているうちに鳴響のメイン会場・姥の湯に到着。そしてその向かいが今日の宿泊先・東川原湯旅館。ここでチェックインを済ませて客室に荷物を下ろし、会場ですぐに風呂に入れるように浴衣に着替えてから夕食の買い出しをするために先ほどのスーパーへと来た道を戻る。

買い出しを済ませたら既に18時過ぎ。そろそろライブが始まる時間になっていたので姥の湯自炊棟へ。

鳴響チルアウトラウンジ@姥の湯旅館

会場の姥の湯自炊棟の大広間に着いたのが開演の少し前。なので前列や中央といったいい場所は既に埋まっており、後列の窓側にようやく場所を確保して、いよいよ開演。

  • いろのみ
    • トップバッターはいろのみ。ニューアルバムの「北の果ての物語」からの曲でラスト。鳴子御殿湯駅で聴いた星空をイメージさせるキラキラした音。もう少し遅い時間に聴いてみたかったかも。
  • Firo
    • 2番手は涼音堂のエース、Firoのライブ。こちらもニューアルバムからの曲が中心で、Rei Harakamiを思わせる、水の流れのような音。MCで寝ながら聴いて下さいと言ったら観ている人がほぼ全員寝ながら聴いていた。でも本当に寝ながら聴くのは気持ちいい。最後の曲はPsyExとのセッションで、PsysExの硬質な音とFiroのアンビエントサウンドとの対比が際だつセッションだった。
  • Naturally Gushing(サワサキヨシヒロ!)
    • 出演アーティストきっての温泉好き、サワサキヨシヒロのライブ。これは是非とも湯船で聴きたいと思い、大広間を抜けて硫黄泉へ。どの曲も湯船で聴くのにぴったりなチルアウトミュージックだったが、やはり民謡のおじいちゃん・佐藤民男さんとのセッション「南部牛追温泉」に尽きる。いい感じで全身から緊張が抜けていく。何人も入ってぬるくなった硫黄泉を出て大広間に戻ると最後の曲までまたしても寝ながら聴く。
  • 岡崎斉一トークライブ
    • サワサキヨシヒロのライブの後はこけし絵付けコンテストの結果発表。その流れでこけしについてのトークライブ。こけしが東北全体にあることや、地域ごとの違い、そして涼音堂所属アーティストが次々とこけしにハマっているという事実まで。それにしてもこけしの事になると岡崎さんが急に饒舌になるのもこけしの不思議な魅力によるものなのだろうか。
  • 郡司勇トークライブ
    • こけし職人・岡崎斉一さんの次は温泉研究家・郡司勇さんのトークライブ。郡司さんの考える良い温泉とは自然のままの温泉で、源泉かけ流しであることはもちろん、加水がされていないことなど、温泉に手を加えていないことも条件で、そのために全国各地の知られざる温泉を回ってるのだが、そこでの写真が凄い。明らかに家庭用の浴槽だった温泉もあるし。しかも本人の入浴写真が必ずあるという徹底ぶり。よくレンズくもらなかったな。
  • PsysEx
    • 郡司さんの話を聴いたらまた温泉に入りたくなったので、またも大広間を抜けて今度は露天風呂へ。硫黄泉が入りすぎでぬるくなっていたので、露天風呂は大丈夫か不安だったが、大丈夫。露天風呂はちょうどいい熱さだった。PsysExはFiroとはまた違ったアンビエントサウンドで湯船につかりながら聴くのに良い音。露天風呂から出て大広間に戻ると、寝ている観客は一人もいなくなっていた。何があったのかといえば、森繁哉さんのパフォーマンスが始まっていたのだった。確かにこれは寝てる場合じゃない。とにかく見逃さずに済んで良かった。
  • Coupie
    • つい先日デビューアルバムを出したばかりの新人が、まさかトリを務めるとは!メンバー2人での演奏から始まり、クリスタルボウル奏者の遠藤園子さん(こけし絵付けコンテストの優勝者)の参加した曲もあったり。曲調としてはフォークトロニカになるのかな。タワレコ新宿店の名物コーナー「都市の民族音楽」ならぬ「東北の民族音楽」といった感じ。そして気がつけば寝てしまい、起きたら既に演奏が終わっていた。それだけ心地よい音楽だった。

演奏終了後は宿泊先の東川原湯旅館に戻り、夕食を食べて、日記を更新してから三沢光晴急死のニュースに驚いたりしてから就寝。