財部誠一「カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか」

経済ジャーナリストがカルロス・ゴーンCOO(当時)を中心に進めた日産の改革を追った本。特筆すべきは日産の改革以前にも文房具を最後まで使いきる、出張でのグリーン車利用禁止などのコスト削減策が進められていたが、あまり効果が現れなかった点。コスト削減の点では最も支出の多い箇所*1に手をつけなければいけないというのは企業の部門内や家計の支出削減でも重要だと感じた。また、改革による夢を共有するなど、コスト削減を単なるケチケチ運動にしないようにする*2点も見逃せないと思った。

*1:ここでは購買部門。各事業所ごとにバラバラだったものを1ヶ所に集約することでコスト削減を達成した。

*2:カルロス・ゴーンは自身の著書でケチケチ運動的な今までのコスト削減策を「社員いじめ」と書いていた。