東北大陸から 2011

はじめに

3月11日に発生した東日本大震災以降*1、秋の大旅行は東北に行くことを計画していたのだが、5月にJR東日本が期間限定でJR東日本パスを出すと発表があったので、それに乗っかって予定を前倒しして日帰り旅行を決行することに。

上越新幹線200系で一路新潟へ

常磐線を上野まで乗ってから新幹線に乗り換えるまでの間に、早くも問題が起きてしまった。移動中に練習を兼ねて何枚か写真を撮っていたら大問題が発生。デジカメをホームか電車に忘れてしまった。最初は指定券の変更をかけてデジカメが戻ってくるのを待つつもりだったが、見つかるのが何時になるのか分からなかったので、忘れ物の問い合わせは後でやることにして本来の予定通り上越新幹線の始発に乗ることに。
200系
やってきたのは残り本数わずかの200系。トランヴェールを読んでから寝ようと思ったのだが、古い車両だからか小刻みな揺れが気になってなかなか眠れず、熊谷を過ぎたあたりでようやく寝れたと思ったら高崎、越後湯沢、浦佐、長岡と停車するたびに目が覚める状況。
長岡から先は寝るのを断念して、一面田んぼ*2越後平野を横目に新潟へ。
200系とE4系がんばろう日本!がんばろう東北!
新潟駅で並んでいたのは200系とE4系。この並びが見られるのもあと少しなんだろうな。200系だけでなく、E4系の引退も噂されているし。

快速べにばなで新潟県を北上

新潟で朝食として駅弁を買ってから在来線ホームに降りるとしばらくして快速べにばなが入線。乗車率は1ボックスに1人〜2人という状態で乗車率はJR東日本パス期間としてはかなり低い部類に入ると思われる。
急行きたぐにを横目に新潟を発車してから白新線は田んぼの中を進んでいく。ここでようやく朝食タイム。
鮭の焼漬弁当
鮭の焼漬弁当
新潟駅の数ある駅弁の中から選んだのは鮭の焼漬弁当。鮭の焼き漬けに厚焼き卵、さらには筋子まで入っている、とにかくご飯が進む駅弁。これで990円はかなり安い!
駅弁を食べ終わった頃には羽越本線に入って国道7号線と並行して坂町まで。この辺りは日本海縦貫線といっても海は見えず。
荒川(新潟県)
ST330101ST330104
坂町から米坂線に入ると進行方向左側に雄大な流れの荒川が見えてきて、乗客は荒川に釘付け。どおりで新潟駅から進行方向左側から席が埋まったわけだ。途中でデジカメ落としたことが悔やまれる。
羽前松岡駅ST330105
越後下関、小国以外ではまとまった乗下車はなく、山形県に入ると新潟県側とはうって変わって田んぼの中を進んでいく。
キハE120系
新潟から3時間弱かけて、快速べにばなは米沢に到着。この辺で小腹を満たすために峠の力餅を探すべく、下車印を押してもらって改札外へ。

米沢から蔵王を横目に山形市

米沢は前に通ったときは大河ドラマ効果もあって直江兼継一色だったが、駅前の様子を見ると前田慶次が優勢で直江兼継上杉鷹山といった具合。
米沢牛
しかし、それ以上の存在感を誇るのが米沢牛
小野川温泉ほたるまつり
今さら「ねるとんパーティー」ってのも…
719系と701系ぶどうのビニールハウス
米沢から山形までは山形線の普通電車。節電のために車内の照明は全て消えていた。
山形線に乗ると車窓で目につくのが斜面に並ぶビニールハウス。一昨年に山形新幹線に乗ったときから気になっていたがどうやらワイン用のぶどうを栽培しているらしい。他にはポメラで乗車記録をまとめたりしているうちに山形に到着。山形県の中心駅なので降り立ってみたかったが次に乗る電車の発車時間が迫っていたので断念。
E721系山寺駅
山形からは仙山線に乗車。途中で渡った最上川芋煮会場らしく広い河川敷だったり、羽前千歳からさくらんぼ狩り帰りの乗客が乗ってきたりと山形らしい光景を見ながら進む電車を山寺で下車。仙山線に乗ったからにはここは外せない。

山寺で芭蕉の風景に会いに行く

山寺駅
山寺ホテル立石寺参道
山寺駅で下車印を押してもらってから、駅前のレストランおのやでまず食事。そして参道を立石寺に向かって歩く。
立石寺立石寺こけし塚
立石寺の本堂に参詣してからこけし塚、宝物殿と見ていく。こけし*3供養の塚があるのが東北らしい。
立石寺案内図
いよいよ拝観料を払って奥の院に挑む。
立石寺仁王門
6月だというのに紅葉が見えてきたら仁王門。
最上義光霊屋
最上義光霊屋。山形57万石の郷土の英雄だというのに案内もないのはどういうことだ!?最上家が改易されたからなのか?
ようやく奥の院に参拝。手を合わせたら鳥の声しか聞こえない。まさに「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」の句そのもの。
立石寺立石寺開山堂
立石寺納経堂立石寺
さらに奥の納経堂、五大堂にも行ってから下山。本坊にも寄ろうと思ったけど、乗る予定の電車の時刻が迫っていたので断念。

秘境駅を通り過ぎて作並温泉

山寺を過ぎると仙山線は森の中を進んでいき、奥新川へ。ここは時おり秘境駅として取り上げられる駅なのだが、ハイキング客の多さもあって秘境駅らしさはさほど感じられず。
作並系こけし作並系こけし
交流電化発祥の地交流電化の由来
次の作並で下車して交流電化発祥の地の碑や作並系こけしを撮ってから改札で15時過ぎでも日帰り入浴できるところを聞いてみたら紹介された宿の送迎バスに乗って温泉へ。
ゆづくしの宿 一の坊
紹介されたのは作並温泉有数の歴史を誇る大型旅館、ゆづくしの宿 一の坊
時間の関係で内風呂と露天風呂のどちらかしか入れないので、迷わず露天風呂を選ぶ。
仕事で目を酷使しているせいか、数日前から目が痛かったので温泉で目を洗ってから*4風呂を出て、旅館内のお土産屋を見てから温泉街を歩く。
広瀬川平賀こけし店
作並温泉広瀬川の岩盤の上にあるので、旅館を出てすぐの所にあったこけし屋では震災でも4月の余震でもびくともしなかったらしい。同じ県だからって全部一括りにしてしまうのは良くないね。宮城然り、福島然り。
こけし屋を覗いてから温泉神社に参拝してから温泉街を歩いてみるが、国道沿いに大型旅館が並んでいるだけという寂しい光景。旅館一軒だけのこと考えたら仙台市内から送迎出して、宿泊、食事、お土産まで自分のところで囲い込んでしまった方が客単価としてはいいんだろうけど、温泉街全体で考えたらどうかと思ってしまう。
温泉神社から作並駅まで路線バスに乗ろうと思ったが、作並駅前に停まらないので歩くことに。温泉神社の脇の商店でどのぐらいかかるか聞いてみたら30分なので大したことないと思っていたが、実際にかかった時間は40分。何もない国道を延々歩いたのでそれ以上かかった気がするけど。

夕暮れの仙台からやまびこ264号、そしてフレッシュひたち67号

回文の里 作並作並駅前の案内図
作並駅の駅名由来
作並に着いたものの、本来乗る予定だった電車はすでに発車した後だったので待合室の中で時刻表を読んで乗変をどこでかけるか考えたり、ポメラで乗車記録をつけたりして30分ほど待ってからようやく仙台行きの電車が到着。
作並から先もところどころに秘境駅があるような山の中を進み、町の中に入ったと思ったらここが愛子。仙山線は愛子折り返しの電車が多数設定されているのだが、とても理にかなった設定であることが分かる。
そして北仙台から仙台のビジネス街を通り過ぎて、仙台に到着。
仙台での乗り換え時間はわずか。なので、改札内特急券売り場で乗変かけようとしたが今日の上りは全て満席だったので所定のやまびこ*5に乗ることに。JR東日本パスの効果の絶大さを改めて思い知る。
お土産を買ってホームに上ったらちょうどやまびこが入線していた。よかった、間に合った。
車内でポメラを開いて日記の下書きしたり、車阪で買った網焼き牛たん弁当を食べたりしているうちに那須塩原までの徐行区間は過ぎていた。この区間や仙台駅の被害状況を思い出すと、1ヶ月強での全線復旧は驚くべき早さだということを改めて思い知る。
E653系
上野に到着したら常磐線に乗り換えるのだが、今回使っているのは特急自由席乗り放題のJR東日本パスなので最後まで有効活用すべく、地平ホームでフレッシュひたちに乗り継ぐ。常磐線沿線に長く住んでるけど、フレッシュひたちには縁がなく、E653系に乗るのは今回が初めて。
E653系に乗って、この車両は来年春にいわき〜仙台間の特急に使われる予定だったけど、沿線にある福島第一原発の影響で復旧の目処が立っていないので今後はどうなるものかと考えているうちに柏に到着。そこから各駅で数駅戻って帰宅。

おわりに

震災から3ヶ月後の南東北乗りつぶしも観光も温泉もスケジュールに詰め込んだ結果、なかなかハードな行程になってしまったが、山寺や仙台で復興に向けて動いている姿を見ることができたので行って良かったと思う。次は今年の秋の休暇に行こうか、来年春のいわてデスティネーションキャンペーンに会わせて行こうか。どっちにしても、必ず行く。

落ち着いたら、また、東北に行こう。かならず。旅好きなブロガーが出来ることは、東北を旅して、みんなが行きたくなるような、旅行記を書くことかもしれない
また東北を旅する日に - 日毎に敵と懶惰に戦う

駄文ながらも、この旅行記も東北を旅する人の参考になればと思う。

*1:厳密に言えばid:zaikabouさんやid:matsukazutoさんの東北旅行記まとめを呼んでから

*2:蓮根を作っている田んぼも5%ほどあった

*3:山寺のこけし蔵王高湯系。距離的に近い作並系だと予想していたので意外。尾花沢あたりは作並系なのに。

*4:翌日には完治してた。効能に眼病のことは一言も書いてなかったのに!

*5:最初は1本前のはやてに乗るつもりだったが、希望の席が埋まっていたのでやまびこにした。仮にはやての指定を取っていたら乗り継ぎが間に合わなかった。